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フィリピンビジネスで苦労すること
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    コロナの影響によるキャンセルや延期対応が一通り落ち着いた4月下旬から最近このごろまで、フィリピン、セブ、マレーシアなど各国の挙式会場の情報整理を中心に行っていたのですが、改めて思うことがあったので書くことにしました。

    (※似たような愚痴を以前に何回も書いています)

     

    やっぱりフィリピンが一番大変・・・

     

    南国リゾート地となれば、どこも時間はゆったり流れ、スローで「いい加減」な感じになるのは間違いのないところですが、フィリピンはその中でも特殊だと思います。

     

    フィリピンは英語を話す人が多い国で語学留学先としても人気がありますが、英語が話せるのにも関わらず「話が通じない」人が多いのです。

     

    ※写真セブのケーキ屋さんのものですが、本文とは関係ありません。

     

     

    2019年のOECD加盟国国際学力調査において、フィリピンは79か国中「読解力」が最下位、「数学」と「科学」は最下位から2番目という結果が出ていました。(学校に通っている人を調査したもので、学校に通えない人たちが多くいます)そもそもの「読解力のなさ」がコミュニケーションがうまく成立しない一因だと妙に納得しました。

     

    例えば、以下のような問い合わせをホテルなりレストランなりにするとします。

     

    「2020年10月に20名前後でパーティをしたいので、場所やメニューの詳細と空き状況を教えてほしい」

     

    欧米でもアジアでもほとんどの場合、初回で以下のような回答が来ます。

     

    「20名様前後であればAプランかBプランがお勧めです。Aは室内の個室でBはテラス席、料金は1名様1万以上のコース(添付資料の1〜4からお選びください)を20名様以上(最低保証20万)ですが、土日祝は10%アップとなります。10月は今のところ●日と●日が空いていますが、●日はこちらの祝日になります」

     

     

    フィリピンでも、ばっちりな回答をくれるところはたまーにありますが、だいたいは以下のような様相になります。情報収集力や読解力が乏しい人が多いため、あまり長いメールは読まず、基本は1問1答スタイルになり、さらに質問に対する答えが微妙にずれており、そのずれがどんどん広がっていきます。

     

    (1日目)

    私:「2020年10月に20名前後でパーティをしたいので、場所やメニューの詳細と空き状況を教えてほしい」

    P:「10月の何日ですか?」

    私:「まだ決まっていないのですが、中旬ごろになりそうです」

     

    (2日目)

    P:「予約には50%デポジットの支払いが必要です」

    私:「それはわかりますが、詳細を教えてください」

     

    (3日目)

    P:「10月の何日ですか?」

    私:「具体的な日付は決まっていないのだけど、だいたいの予算が知りたいです」

    P:「Bという個室がお勧めです、300名様まで収容可能です」

    私:「20名様前後なのでもっと小さいところで大丈夫です」

     

    (4日目)

    P:「300名まで入れるので20名様でも入れますよ!!1人3,000円のメニューを100名様分頼んでくれればOKです!」

    私:「いや・・そちらのホームページを見たところ、30名前後で使えそうなCという部屋があるようなのでそこ詳細教えてもらえます?」

    P:「調べてまた連絡します」

     

    ※写真セブのケーキ屋さんのものですが、本文とは関係ありません。

     

    (8日目くらい)

    私:「詳細まだ分かりませんか?」

    P:「遅くなってごめんなさい、Cというお部屋はありまーす、ピークシーズンは追加チャージとなります」

    私:「ピークシーズンの日付とチャージ料金教えてください」

     

    (9日目)

    P:「年末年始とクリスマスは30%追加です」

    私:「わかりました、空き状況のほうはどうですか」

    P:「何月何日ですか?」

    私:「10月のどこかですがまだ決まっていないので、空いている日を教えてください」

    P:「では、決まったら教えてください」

    私:「・・・お客様と相談してまた連絡します」

     

    (10日目)

    私「10/15、または10/25の空き状況お願いします」

    P:「10/25で予約しました、デポジット請求書添付します」

    私:「10/15は空いていないのでしょうか?あと、請求書にピークシーズン追加とあるのですが?」

     

    (12日目)

    P:「10/25はスペシャルホリデーなのでピークシーズンです」

    私:「・・・最初に言ってほしかったです。あと、食事のメニューやドリンクの詳細送ってもらえますか?」

     

    (13日目)

    P:「添付資料ご覧ください」

    私:「添付資料がありません」

     

    (14日目)

    私:「・・・添付資料には、ブッフェメニュー100名様以上〜とありますが20名くらいで頼めそうなものないですか?」

     

    こんな感じで、とにかく時間がかかるのです。仕事をはじめたころは、私の英語力に問題があるのかと思っていましたが以下のような国民性が複雑にからみあって以上のような状況になるようです。

     

    ■自分のことを話すのが大好き

    ■相手の話を聞かない、理解はしない、理解しようとする気持ちもない。

    ■その場しのぎが一番大事

    ■長期的な視野がない

    ■知っていること、行動、できることの範囲が驚くほど狭い

    ■深く考慮しない

     

    そして、一番面倒なのは

     

    ■プライドが高い(外面が大事)

     

    ことだと個人的に思っています。日本の幼稚園児レベルのすぐばれる嘘を平気でつきます。明日、いえ、1時間後にばれるような嘘でも、その場をしのぐのが大事なようです。「わからない、間違えた」というようなことは誰にでもあるので、素直に正直に言ってくれれば良いのですが、嘘をつくより自分の無知や間違いを認めることが恥と感じているようです。逆恨みや激情による犯罪も少なくありません。

     

    例えば、いくら待っても約束の場所に来ないので電話すると「On the way(今向かっている)」と言われ、30分おきにそれを繰り返し、結局3時間待っても来なかったということがよくあります。忘れていたり、来れなくなったのなら正直に伝えればいいのに、よくこれで人間関係や社会が成り立っているな、と逆に感心することもあります。

     

    ※写真セブのケーキ屋さんのものですが、本文とは関係ありません。

     

    また、上下関係というか、オーナーや経営層、ローカルの政治家や長老的な存在の人、その親族などによる支配力や強制力もすさまじく、イチ担当者ができる範囲の仕事が限られてくる状況にはあり、労働する人があまり頭を使わないような環境になっています。

     

     

    言うまでもなく、フィリピン人でもしっかり仕事ができる人、真面目で約束を守る人もいます。そのような人は国外に出て稼ぐのが主流ですが、国内でも100人に1人くらいはいるので、この1人に会えるかどうかがフィリピンビジネス成功のカギだと思います。

     

    ※写真セブのケーキ屋さんのものですが、本文とは関係ありません。

     

    フィリピンへ旅行したり、短期の語学留学へ行った人はフィリピン人のことを「いい加減だが明るくてフレンドリー、優しい」と捉え、一方、フィリピンに長く在住したりビジネスで関わったことのある人は、フィリピン人のことを「頭が悪い、嘘つき、民度が低い、さぼり屋」と捉えることが少なくありません。

     

    フィリピンのお店の店員・スタッフなどは一見すると知識がなく対応力や効率も態度も悪いのですが、いざというとき(例えば自分が早く帰りたいとき)には意外な力を発揮しますし、ウエディングやイベントの担当者なんかも、準備用意はからきしだめでも「その場しのぎの対応力」は素晴らしく、トラブルがあってもなんとか乗り切ったり、思いもかけないサプライズで嬉しい結果になったりすることもよくあります。

     

    私自身は、たまに「もう面倒くさすぎるからフィリピンやめよっかな」と思うこともありますが、なんだかんだで良いところも悪いところも含めフィリピンが好きなので、もうしばらくこの仕事を続けようと思います。

    posted by: ErisBridal | 雑談 | 17:54 | - | - | - |